渡辺歯科医院

予防とケア

抜歯の予防

いつまでも自分の歯を残したい!

これは誰しも思うことだと思います。

ではそのためにどうすればいいのか、どうしてはいけないのか、
を科学的かつ理論的に考えると答えはそれほど難しくありません。

つまり抜歯になった原因を考え、そうならないようにすればいいのです

抜歯の主原因

この円グラフにもあるように抜歯の原因の1位は歯周病42%、2位はう蝕(むし歯)32%、3位は破折11%全体の約85%を占めます。

1位 歯周病 42%

1位の歯周病に関しては初期に治療ができれば改善していきますが、
初期では自覚症状も少なく気づきにくく、悪化してしまうと改善していくことが難しくなります。
まずは定期的にしっかりと検診を行い、悪化が見られたらしっかりと治療を行う、
ということが重要で多くの歯周病を予防できると思われます。

(歯周病はこのホームページの歯周病の項目に詳しく書いておりますのでご参照下さい)

2位 う蝕(むし歯) 32%

以前に比べてむし歯で抜歯になることは
だいぶ減りましたが全体の3分の1を占めます。
むし歯で抜歯になる場合
大きく分けて2つ考えられます。

  • 小さなむし歯を放置していたため大きくなってしまった
  • 治療してかぶせていた歯の中でむし歯が広がり、かぶせていた歯が取れたため
    歯医者に来てみたが抜かなければいけない、と言われてしまった

①に関しては、そこまで悪化する前に治しておけば...ということになります。
上の画像のようにむし歯が大きくなっても全く痛くない、ということも多くありますが、
だからといって放置することは危険です。

②に関しても、定期的な検診で見つかる場合が多いので検診が
非常に重要になってきますが、見つからない場合もあります。
(なぜ発見できないかというと、金属を使って治している歯はむし歯になっても
レントゲンに映らないためです。)

「かぶせたりして治した歯ってもう悪くならないんじゃないの!?」

ということを思われる方もいらっしゃるのですが、かぶせものと土台となる
歯の隙間から虫歯が進行してしまうケースは少なくありません。

現在ではセメントの材質もかなり向上し、光で硬化させ歯と科学的に接着できる
材料もあるので、かぶせものを入れる際には材料の選択が重要になります。

3位 破折 11%

破折

「破折」というのは「歯が割りばしを
わったように割れてしまった状態」です

ではどうして割れてしまうのでしょうか。

むし歯によって神経を取ることで、
歯は枯れ木のような状態になり弱くなる

さらにその歯に金属の土台を入れることで
「くさび」のような働きをしてしまい
歯を割る準備ができてしまう

そこに過大な力が加わってしまい
歯をわってしまう

これを防ぐポイント

  • むし歯を神経にいく前に治療する
  • 神経を取った場合、歯を割る恐れのある金属の土台はなるべく使わないようにし、
    代わりにグラスファイバーを用いた土台を入れる
  • 過大な力がかからないようにする

グラスファイバーの土台は金属の土台と異なり、歯と同じぐらいのしなやかさがあります。
そのため、力がかかったとしても金属の土台のように歯を割る可能性が低くなります。

既に歯がない箇所がある場合、その分他の歯に負担がかかることがあります。
なるべく必要以上の負担がかからないように処置をすることで過大な力から
解放することができます。

また最近はストレス等で、寝ているときに強い力でくいしばる
癖を持つ方が増えてきています。嫌な音が鳴る歯ぎしりとは異なり、
音が鳴らないためご家族などから指摘されることが少なく、
自覚されている方はごくわずかですが、寝ている時の噛む力は起きているときの
4倍とも言われています。この非常に大きな力で歯を割れてしまうことも少なくありません。
くいしばりは寝ている時に無意識に行ってしまう癖のため、
やめることが非常に難しくなります。そこでくいしばってしまったとしても、
力が集中しないようにするために睡眠中に小さなマウスピースを装着することで
歯の破折を予防することができます。

ではおさらいしてみましょう。

  • しっかりと定期検診を行い、歯周病の進行を防ぎつつ、悪化が認められたら早期に治す
  • むし歯は小さいうちに(神経まで達する前に)治す
  • かぶせて治す場合は、長持ちする材料、セメントを使う
  • 土台を入れる場合、ファイバーを用いた土台を入れる
  • 現時点で歯がない場合、他の歯に負担がかかるので、適切な処置を行い負担を軽減させる
  • くいしばりがある場合その余計な力を分散させるマウスピースを就寝時に使用する

抜歯の原因の85%はこの6点に気をつけることで、抜歯になる確率を減らせると思われます。

このページのTOPへ

予防とケア

歯周病の予防も、むし歯予防も一番大事なのは正しい歯磨きと定期検診です。

「私は毎日歯磨きしているから大丈夫です(^-^)」

という方が結構多いのですが、果たしてそれは正しい歯磨きなのでしょうか。
いつも同じように磨いていると、きれいに磨けているところと、歯垢がたまりっぱなしに
なっているところとはっきり分かれてきます。

きれいに磨けているようでも...

これだけ磨き残しが!

また、歯ブラシだけで取れる歯垢は全体の約60%しかなく、歯間ブラシも併用して
ようやく約85%取れる、と言われています。

つまりどれだけしっかり磨いても15%は残ってしまうのです

部屋のお掃除も掃除機だけではキレイにならないですよね。ハタキをかけたり、
雑巾がけをしたりしてその場所その場所に合った道具を使うのと同じです。
まだお部屋のお掃除はホコリやゴミが見えるのでキレイにしやすいですが、
歯磨きは前歯はまだしも、奥歯はなかなか見えないところのため、
キレイにするのは至難の業です。

PMTC

正しい歯磨きを行うために、まず一度お口の中の
クリーニング(歯石歯垢除去)を行わせて下さい。
当院では専門的な機械を使って汚れを取り歯の
表面をキレイに磨く、という
PMTC
(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
も行っております。
今まで味わったことのない爽快感を得ることが
できると思います。

そして正しい歯磨きを行うための磨き方を説明させて頂きます。
歯並びは人それぞれ違いますし、磨き方にはクセが出やすいので
患者様一人一人にあった磨き方を説明させていただきます。

また、数か月経ちますと磨き方がまた元にもどってしまったり、
どうしても取りきれないところに歯垢や歯石が付いてきますので
定期検診を兼ねて除去させていただき、必要に応じて
再度磨き方の確認をさせていただきます。

本当にそんなに定期的にキレイにしなきゃいけないの?
と思われる方もいらっしゃると思いますが、私達、歯のプロである
歯医者や衛生士も数か月に一度歯石を取ってもらっています。

このページのTOPへ